Last update 4/6/2010

構造的異常が痛みの原因ではありません


整形外科を訪れる患者さんの大部分は腰痛などの痛みの原因は構造上の異常にあると思っていると思われます。また、当の整形外科医のほうでもほぼ全員が痛みの原因を構造上の異常に原因を探っています。整形外科を訪れても期待したものが得られない患者さんが私どものカイロプラクティックの治療院を訪れるわけですが、そこでも、背骨や骨盤のずれや歪みをとって欲しいと願っています。つまり、背骨や骨盤のずれや歪みが痛みの原因であると考えているからです。整体院を訪れる患者さんもほぼ同様でしょう。

しかし、構造上の異常が腰痛などの痛みの原因ではありません。では、痛みの原因はいったいいったい何でしょう? 原因がきちんと特定できなければ、その解決する治療法も見当違いなものになってしまいます。治療術内部においても世間の常識においても、最大の誤解は構造的な異常が痛みの原因であると思っていることです。

たとえば、医師を訪れる2番目に多い疾患である腰痛を考えて見ましょう(ちなみに医師を訪れる最大の疾患は一般感冒、風邪です)。

西洋医学(主に整形外科):椎間板ヘルニア、椎間関節症、変形腰椎症、分離症、すべり症、脊椎菅狭窄症などなど。これはほぼすべて、レントゲン、MRI、造影法などによる画像診断が診断の決め手になっています。ところが、これらの画像診断上の所見と症状(腰痛)とは少しも関係がないのです。

英国医師会の機関誌BJMの論説に次のような指摘が載っています。
「(慢性腰痛の原因について)腰椎ヘルニア、線維輪の断裂、脊椎狭窄、すべり症といった特異的な器質的な問題に診断を求める努力が払われてきた。しかし、大多数の症例では、これらの疼痛源を特定するのは不可能である。脊椎の可動域の低下、レントゲンによる脊椎症、椎間関節炎、MRIによる椎間板変性と突出の徴候を示すこともある。しかし、これらの特定されたお決まりの特徴は背部痛の存在との関連性は非常に弱い」(『急性の背部痛が慢性になる理由』1997年6月7日号、Malcom IV Jayson教授、マンチェスター大学医
学部付属ホープ病院 リウマチ病センター・マンチェスターとサルフォード疼痛センター)

また、いくつかの海外の論文によりますと、何の症状もない健常者のMRIを見ても、加齢に従い、椎間板の変性、膨隆、脱出が増加しているのです。健常者にもMRI上の異常が認められること自体、画像診断と症状とは連関がないことを示しています。また、腰痛患者の年齢別の正規分布を見ると、40代前後がピークとなっています。これから見ても、画像診断による、構造的な異常に腰痛の原因を求めることは相当な無理があります。

カイロプラクティック:伝統的なカイロプラクティックや日本の整体術は骨盤の歪みや背骨のずれ・歪みが腰痛の原因であるとしています。私どものオフィスにも「骨盤の歪みを治して下さい」というような問い合わせが数多くあります。ところが、こうした骨格上の歪みは原因であるというよりは結果であることが多いのです。結果だけを追っても、再発することは目に見えています。

ここで、はっきり言っていいと思いますが、整形外科、伝統的カイロプラクティック、それに整体に共通しているのは構造的異常が痛みの原因である、ととらえる考え方です。しかし、ヘルニアや、骨盤・背骨のゆがみ・ずれが痛みの原因ではありません。

西洋医学やカイロプラクティックを問わず、こうした構造的なアプローチは根本的に誤っています。では、腰痛の原因はいったい何でしょうか?

それは筋肉のアンバラスです(よく筋肉とスジの違いは何ですか?と聞かれますが、筋は訓読みで何と読みますか)。筋肉が弛緩したところでは関節に負荷がかかり腱の痛みから関節痛となります(機械的刺激による発痛)。また、筋肉が緊張したところでは、血流障害が起きて低酸素症となり、疼痛物質が産生されて、痛みの神経が過敏となります(化学的刺激による発痛)。

では、どうしてこうした筋肉のアンバランスが起きるのでしょうか?それは筋肉に命令を与えている神経系の働きがアンバランスになっているからです。

それは伝統的なカイロプラクティックが見過ごしてきた、しかも創始者のDDパーマーが指摘していた神経系の働きです。

痛みは通常2種類あります。組織の損傷を伴うものと組織の損傷を伴わないものの2種類です。痛みは細い神経線維を伝わって脳に届けられて、そこで「痛み」として感じられます。通常、痛みを伝える細い神経線維の働きは関節や筋肉の状態を脳に伝える太い神経線維の働きで抑えられています。その鎮痛部位は末梢神経から中枢神経(脊髄)への入り口である城門と脳の本丸付近の城門の2箇所にあります。ところが、前者の場合、太い線維の働きが低下して、痛みを脳に伝える細い線維の働きを抑えられなくなり、痛みの情報は城門から本丸へ素通りとなり、脳で痛みとして感じられ、痛みが発症します。

カイロプラクティックの治療は神経系に適切な刺激を与えてアンバランスな状態をリセットし、太い神経線維の働きを活性化させて痛みを伝える神経線維の働きをコントロールするのです。

また、太い神経線維の働きが低下すると、大脳の働きも低下して、結果的に交感神経系が優位となり、血流障害が起きます。そうすると、低酸素症となり、神経系が興奮しやすくなり、痛みが出ます。これも、神経系のアンバランスをリセットして、自律神経系の状態を元に戻して痛みを解消します。

では、どうして、太い神経線維の働きが低下するのでしょうか? それにはもっと深い根本原因が考えられます。それは機械的なストレス、生化学的ストレス、心理的ストレスの3つのストレスです。
  機械的なストレス:姿勢、反復作業、外傷。
  生化学的なストレス:アレルギー、栄養欠陥、毒。
  心理的なストレス:感情的しこり。

とくに、この心理的なストレスのみがある場合、痛みを感じる脳の部分が敏感となり、組織の損傷がないのにもかかわらず、強い痛みを感じることがあります。中枢痛とか異痛症とか呼ばれています。腰痛などの痛みの大部分がストレスから来ています。当オフィスでは、この感情的ストレスを解放する治療も同時に行って腰痛を治しています。

さらに、むちうちやぎっくり腰などの外傷でも、それはきっかけで、元々内在していた生化学的、心理的なストレスが原因であることも多いのです。

さらに、アレルギーは腰痛、頭痛、肩の痛み、膝の痛みなど、多様な痛みの原因である場合が非常に多いのです。当オフィスでは、アレルギー除去の体質改善治療も行うことにより、痛みの症状を軽減しています。

これらの3種類のストレスがいろんな組み合わせで痛みの原因となっています。この原因にさかのぼって治療しないと、完治しません。増田カイロプラクティックセンターでは、構造的アプローチではなく、機能的なアプローチにより、痛みを根本から治療します。

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